窮屈さを感じるようになったのは、2021年頃だろうか。
コロナ禍を理由に自宅でのテレワークが当たり前になって、すぐに「逃げ場所がなくなった」と感じるようになった。先ほどまでZoom会議を開催していたダイニングテーブルで家族と食事を摂り、また仕事に戻る。ONとOFFの切り替え、といったありきたりな言葉では説明できない、自分を守るセーフティエリアに仕事が攻めてきて、それが無くなってしまったような感覚。
リビングダイニングで仕事をする。それを前提に仕事用のデスクチェアをひとつ買い足した日。大切な何かを失った気がして悲しくなった。憧れのハーマンミラーのデスクチェアは、我が家のリビングダイニングに暗い影を落とすようにやってきた。オフィスに置くのが憧れだったのだ。
テレワークは楽、という声には全く同意が出来なかった。
一方で、「対面でないと気持ちが伝わらない」「本当に部下の管理が出来ているのか」など、コロナ禍や自社オフィスの面積、物理的に距離の離れたテレワークという一個人にはどうしようもない環境課題を管理職の努力不足に転化する経営者に、またいつかあの空間で集まれる日まで頑張ろうという気持ちが少しずつすり減っていく。
「逃げ場所が、隠れ家が必要だ」
今まで使ったことが無い、そんな言葉を頭に思い浮かべる日が増えていった。
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